文化祭;オバケ屋敷
好きな男子と同じ役割というベタな設定を言われた数日が経った。


「まぁ、宜しく…、でさァ」
「う、ん」

何だかんだで、お化け屋敷のセッティングを頼まれた。
もうすでに飾りは出来ていて、それをどこに置くのかが、アタシ達の仕事らしい。

放課後の、クラスルーム。
因みに文化祭は明日。
”いきなりセッティングって言われても、今日終わるわけ無いじゃん!”と抗議したら、
銀八が、前日にセッティングしたほうが、授業の邪魔(=崩壊されないから)と言っていた。納得。

教室に在るラジカセを教卓に置いて、沈黙にならないように音を流した。

「そういやァ、最近はやけに真面目ですねィ」
「うん、」

黙々と作業を続けていたら、総悟が話しかけてきた。

「なんで?」
「いや、風紀委員として、仕事が減ったと言うか・・・、」
「良い事じゃん」

話しながら、作業を続けた。
作業の大半は終わっていて、教室の外を見たら夕焼けになっていた。

「いやっ、何かやらかしてくれほうが、楽でさァ」
「へ? なんで?」
「書類整理しなきゃならねぇんでィ。 見回りが無くなったんで」
「え、でもマヨ、いや土方見回りしてんじゃん」
「俺は、外されたんでィ」
「え、何で?」
「・・・いや、何でもないでさァ・・・」
「気になるじゃん」
「それとこれは関係の無いことでした」
「え、なにそれ?」



そういったら、総悟を見ていたアタシを、総悟が見た。






にっこり、と静かに笑った総悟の姿と、窓辺から見える夕焼けが妙にマッチして、綺麗だった。






(やっぱ、傍で見たほうが、カッコいいな)