
屋敷中、を探した。
最後の場所;高杉の部屋を空けたら、そこには一人の押し倒されている女と押し倒している男。
組み敷かれているは、どうも欲情的な雰囲気ではなく。
首を絞められて、ごめんなさい、といっていた。
そんな声が聞こえない程、怒っていたのか。
高杉は、の首を絞めている。
「何してんだ、高杉!」
力任せに、高杉にタックルすると、高杉は吹っ飛んだ。
水を得た魚のように、は一生懸命息をして起き上がった。
首元が赤い。
すると、は立ち上がっていた俺の羽織のすそを引っ張った。
「銀ちゃん、」
「どうした? お前ら、何あったんだよ!?第一、高杉テメェ、帰ってきたなら一声かけろよ、
「殺して、」
「あ゛!?」
「殺してよ、」
よく分かんない言葉を並べるもんだから、俺はを引っ叩いた。
「今たたいた頬が痛いって感じてるうちは、生きてろ」
そう言い放ってから、放心状態のを放置。
吹き飛ばされた高杉の面を見ると、片目が包帯で見えない。
「銀ちゃん。」
そう呼ばれ俺が、の方へと振り返ったとき、高杉は直ぐに手元にあった刀を抜いた。
腹を突かれる感触。俺は、痛みに顔が歪んだ。
「てめぇっ」
俺を斬って、まだ呼吸を整えているに、その剣先を向けた。
俺は、それが、赦せなかった。
たとえ、だれであろうと、コイツに、に刀を向ける奴は赦せない。
「高杉ぃぃぃぃいいい――――――――――――!」
なぁ、お前なら、避けられたはずだろ?
何で避けなかったんだよ?
の首元を掠って、高杉はの腹まで一文字刀を振った。
「ごめんね、しんすけ」
かすれた声は、今にも消えそうな綺麗な音。