「ぎーんー」
「んだよ、寝かせろばかやろー。」
「お客さーん。」
「ろくでもない奴の匂いがするからいやだー。」

襖が、少し開いて光が射してきたと思ったら、が見下ろしてきた。

「もう11時だよ?」
「今日はお休みだろ?」
「・・・万事屋にお休みなんかあんの?」
「ねぇな、うん。」
「じゃぁ、おきて」

布団を器用に引っぺがすを他所に、俺は丸まった。




「だめぇぇええ!!返せ!今すぐ返せ!」
「早く起きんか貴様ぁぁぁああああ!!」
「・・・ほら言ったろ!!ろくでもない奴のにおいがするって!」
「だたの、ヅラでしょ!いいじゃない!ろくでもなくなんか無いわよ!」
、俺はヅラじゃないぞ。」
「どうでもいいから、銀ちゃん、リビングに来て」
「ほーいほい。」






顔も洗わずに、着替えてからリビングのソファに座った。
お茶を出されてるヅラはそれを啜り、は昼のワイドショーを見ていた。



「さて銀時、先に説明しろ。」
「ん?何を」
のことだ!生きてたのか!」
「勝手に殺さないでよ!怒るよ!」
「いろいろあって、俺がかくまってたんだよ」





詳しく言えば、高杉に斬られたを俺はそのまま近くの医者の家まで運んで
しばらくは其処にかくまってもらうように説得した。
俺が江戸に来るときに迎えに来ると伝えたのはいいが、
まぁいなくなったのことをヅラは当時心配してて、俺はしらばっくれた。


しらばっくれたのがいけなかったらしい。
ヅラはがてっきり死んだと思ってたんだろう。


「殺すなよ!」
「まぁ、しょうがねぇだろ、。ヅラは知らなかったんだからよ。」
「・・・、コイツは、」
「そこらへんの記憶はねぇよ、よくわかんねぇけど。」

まぁ、ショックとかじゃねぇのか?
知らないけれど。






「っつーか、久しぶりだよねー。何年ぶり?よくわかんないけど、数十年は会って無いね!」
「数十年はねぇだろ、、、」

ワイドショーに視線を向けていたはヅラへと目線を移した。


「お前がいるだなんて知らなかったから何ももってきて無いんだ。悪かったな」
「その前に、アタシがしたんだと思ってたことに謝りなさいよ!」
「まぁ、それは悪かった。俺も何も知らなかったからな・・・」
「・・・まぁ責めるなって。っつーか、ヅラ、今度こそは手土産もってこいよ」
「アタシね、コンビニの肉まんが良い。」
「俺は、ファミレスのパフェで良いぜ」



その後ヅラは、コンビニの肉まんはわかるが、
パフェはどうやって持ってくればいいんだ!と叫び続けて、に煩いとリモコンを投げつけられ撃沈した。










「もう帰んのー?」
「もっと居れば良いだろ? 夕飯はお前持ちで出前にしようと思ったんだけどよぉ」
「かっこよく言ってるつもりだろうが、お前、最悪だぞ」
「そりゃどーも。」
「また来いなー。」
「あぁ。 真選組の追っ手が無い日にでも来ようか。」
「追っ手があったから、近場の俺の家に来たと・・・?」
「あぁ。そうだ」
「テメェもてめぇで最悪だな!」
「何?追っ手?ヅラ、まだ鬼ごっこしてんのか?」
「まぁな。大きい相手に追いかけっこだ」




不毛な会話に終わりが無いから、俺はヅラを思い切り蹴った。


「痛い!反抗期!?」
「そうです、反抗期です。早く帰れ」
「あぁ、またな。」
「んじゃ!」
「今度はパフェだからな。」
「肉まんね!」
「あぁ、分かってる。それと、銀時。」




「先日、片目の鬼にあったぞ」
「あそー」
「ソイツとヅラが鬼ごっこしてんのかー」
「物騒な世の中だから、ヅラに近づかないようにしようぜ〜
「おう!」