「お前、ソレを手に握ってるってことは、 提出してねぇだろ、」 進路調査票。 そう気だるそうに、俺の隣に立ち見下ろす形で俺を見る。 屋上は風が凄く気持ちよくて、眠気を誘った。 ただ、暑苦しいと言うことが無ければ、、、 それとこの男が来なければ、持っている紙を紙飛行機にして 飛ばした後、寝たいぐらいだ。 「決まってるんッスよ、大学」 「推薦って訳じゃねぇだろ、お前は」 「まぁ、親が決めた学校、行くんスけどね、」 その学校に必ずしも受からなきゃ行けない俺は、 此処でぼやぼやとしている暇はないはずなのだけれど、 もちろん、まだ自分でも決めていない路を 親に決められても困るのは目に見えている、 (少なくとも俺の目には見える) それにまだ悩んでいたいと言う気持ちが、本音、だ。 「生きることを放棄したとき、 人は人の生命を断ち切っても良いと思いませんか?」 紙飛行機を、不器用に折りながら、 そうフェンスで頬杖を着きながら黄昏ている先生に話しかけた。俺の目線は常に紙飛行機だけれど。 第一、人生の三大選択肢(1/大学 2/結婚 3/マイホーム)だと言うのに、 一週間で決めろだなんて、可笑しいに決まっている。 自分の道が進めなければ、 少なくとも、俺は、 そんな事を思うだけで、考えるだけでもつまらない人生を 歩みたくないと思うわけであり、 そんなつまらない人生を、天命尽きるまで 天寿尽きるまで、無理に続けなくても良いと思う。 と言うわけで、 「しんでも良いと思いませんか?」 という答に行き着くのだ。 「さーな、」 鬼めが、と心の中でそう先生の背後で呟いて、俺は立ち上がり 折立の不細工な紙飛行機を屋上から飛ばした。 「大学、決まって無くても良いから、その欄は空欄で良いからよ、」 「前向きにいこーや、」 先生とやらよ、 その、前向きとやらを、 先生であるならば、 ぜひともご教授戴きたいものだ。 そして、俺はまた呟くのだ。 「鬼めが」と、 |