笑えない、笑わない、笑いたくない、笑わせない。


間違った事もやって ボロボロになったあの日々が。 今思えば、今の俺たちの総て。  人を殺して、天人を殺して。 仕舞いにゃァ、全身を血に染め上げて、戦場で立ち竦む。  剣を握り締め、一生懸命時代の流れに、逆らった。


が、居た。オレンジの太陽が在って、奇麗な空が広がっている、あの日々。 沢山の仲間に囲まれた。  生と死の間の狭間で、笑うことを忘れなかったのは、のお陰だ。  何が物悲しくて、泣いてんだと聞かれれば、あの時、即座に答えられたんだろう。











が、居ねぇんだよ、何処にも。


















助けられたのに、助けられなかったのは、殺したも同然。  俺は、アイツを殺したんだ。 手を伸ばせばよかった。 叫んで、危ないという事を伝えればよかった。  それでも俺は、ありえない現実に、創造もし得ない現実を受け入れたくなくて、俺は呆けていた。  気付いたときは、回りが屍で。 血の臭いが、鼻を擽った。














お前の薫りが、何処にも無い。


隣は何時も、優しい匂いがした、の薫りが、何処にも無い。
































桂「銀時、聞いてるのか?」
銀「あ? 何だっけか」
高「・・・聞いてろ、ボケ」
銀「うっせーな」
桂「高杉、もう一回言ってやれ」
高「・・・はぁ(汗
 俺は鬼兵隊を率いて、西、東へ行く。
 ヅラは、南で、情報収集。 出来れば、幕府の動向だ
 銀時は、北へ行け。 寒くなる、何か羽織ってけよ。」






男だらけのムサい、寺子屋。 が居なくなって、随分と経った。  何事も無かったかのように、太陽は昇り、落ちる。  星は輝き、朝になれば山の向こうへ消える。  毎日がつまらない。 同じ日々を、同じ様に過ごす、これ以上つまらない物が在って良いのか?と疑問に思っても、 ソレを、変える手立ては知らない。








桂「おい、聞いてるのか、銀時!」
銀「聞いてらァ」
高「・・・」

銀「ようは、敵を斬りゃァ良いんだろ?」
高「ククッ。 違ェねぇ」






戦ったら、何が残る? と聞かれたら、
何も残らねェと、答えられる。




俺は、部屋から出た。 差す太陽の、光り。 暖かい日差しは、寒い季節に持って来いだった。  風が雲を運び、時が俺の記憶を作り上げてゆく。













新しい記憶 古い記憶 停まる事の無い毎日で、忘れていく事程寂しい事は、無いから。  お前が、あの空に居るから。 俺が生涯掛けて守ろうと決めたお前が、天に居るから。




忘れないように、忘れたくは無いから。
それにほら、空は何時も俺の真上にある。
空は無くなる事の無いもんだ。
だったら、忘れる訳も無ェだろ?



俺は、上をむいて歩いて行くさ、この世を。
そう、練り歩くように。
敵を薙ぎ払い、お前の居ないこの世を、歩く。










天に行ける羽なんか
無いんだって
気付いたとき
俺は歩き出したんだ








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