外は、白い景色。 雪化粧。 部屋で一人きりで居るつもりだったのに、何故か目の前には、男。  今さっき、窓から不法侵入してきた男だった。 知り合いだからって、窓から入ること、無いと思う。  ちゃんと、玄関通ってから、入ってよ、銀時。




「何してんの、アンタ」
「メリークリスマス!」
「いや、何してんの、此処で」
「・・・コタツに入ってる」
「・・・何で、窓から入ってきた」
「玄関開いてないし、近道だった」
「・・・」
「雪が溶けたら、帰るからよォ、暫く置いてくれねぇか?」
「雪が溶けたらって・・・・」






アタシは、立ち上がり、カーテンを思いっきり開けた。 積もり、積もるは、雪の色。 こんな量の雪は、暫く解けない。 






「こんなに積もってたら、溶けるの春にならァ!」
「だなっ!」
「だなっ! じゃねぇよ!」
「いやよ、家の水も電気もガスも止められててよォ、困ってんだわ」
「・・・(汗」
「やっぱ、儲かんねぇのな、万事屋」
「・・・挫けるんだ、始めたばっかなのに」
「いや? 挫けねェよ?」
「・・・」
「そういうお前は、バイト頑張ってんの?」
「当たり前じゃん。 どっかのチャランポランとは違って、収入安定してます」
「うわ、ムカつく。」






暫く、他愛の無いことを話した。  銀時が、ミカンを食べて、アタシは、お茶を啜る。  昔に戻ったような錯覚に陥ったけど、生憎回りには、アタシ達以外、誰も居ない。  去年の冬までは、良かった。 戦争最中だったけど、皆が居たから良かった。 まだ、幸せだと思えた。  だけど、そんな幸せも、直ぐに終わった。 四方に散らばる、攘夷浪士。 晋助は、鬼兵隊。 ヅラは、攘夷活動。  ノコノコと、攘夷関係なく暮らしてるのは、アタシ達だけかもしれない。  アタシは、段々寂しくなり、虚ろ気に、目の前の銀時を見た。






「何、見つめてんだ、コノヤロー」
「・・・寂しいなって」
「・・・」
「前まではさ、皆、一緒だったのに。 今はもう、バラバラでしょ? 晋助も、違う場所。 ヅラだって、違う場所。 辰馬だって、違う場所」
「・・・」
「そんで、アタシ達はノコノコ、今まで何事も無かったように、過ごしてる」
「・・・」
「晋助もヅラも、まだ戦ってるのに、何か、申し訳無いっつーか・・・なんていうか」
「まぁ、今時、学も思想も無い俺等が、働いたとしても、無理あっからよォ。 剣ならまだしも、廃刀令出てっし」
「・・・嘘付け。 銀は、腰に木刀さしてる」
「真剣じゃねぇから、良いんだよ!」
「変わらねぇよ」
「・・・ウルセー」
「・・・帰れ」
「調子乗ってました、スイマセン」
「・・・」








何が出来るなんか、知らない。 何をしなきゃいけないのかも、分からない。 ただ、そんな無限大な答え探す為、 何か意味も無く生きてるような気がして堪らない。  晋助は、目標が有る。 ヅラだって、辰馬だって、目標がある。 銀は、有るのか知らないけど。










「というか、ほんと、何しに来たのよ」
「・・・」
「従業員雇いなよ。 一人で万事屋、キツイでしょ」
「あのさァ」
「うん?」









あまりにも真剣な目つきで、アタシを見たため、アタシは息を呑んだ。 








「・・・クリスマスケーキ、無いの?」
「は?」
「ケーキ。 クリスマスケーキだよ。 ケーキの上に乗ってるサンタ、食いたいんだよなァ・・・」
「・・・」
「無い?」
「ねぇよ、天パ」





そういって、殴ろうとしたとき、テーブルの上に、小さなプレゼントボックスを置かれた。







「クリスマスプレゼント」
「・・・」
「開けてみ? 可愛いから」
「・・・」
「安物だけど、一年に一度だけだから。 銀さん奮発してみましたー」






箱を開けると其処には、















千個プレゼント






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