忘れないように、俺は笑うけど。 それだけじゃ、欲張りな俺は足りないから、小指と小指で誓い合う。 「生きていような」 「傍に居ろよ」 「死ぬなよ」 「ずーっと一緒な?」 だけどそのたび胸が痛むのを、俺は少し気付いてた 顔に出ないようにまた笑うけど 気付かれたりするのか? 勘が良いの事だ、きっと気付いてたよな。 治らない病だとは、知ってた。 俗に言う、不治の病だった。 最近流行りだしたその病気は、風が運んでくるものらしく、 もちろんあの時戦場に居たが、感染した。 俺がもし其の時、同じ場所に居れば。 俺も一緒に、同じ死に方で死ねたのにな? 『あの時のその小指は 俺になんて誓ったんだ?』 『あの時俺のこの小指は になんて誓ったんだ?』 叶わない約束を交わすたびに分かってた この距離また縮めたくなっては 約束を積み上げてく。 「生きていような」 「傍に居ろよ」 「死ぬなよ」 「ずーっと一緒な?」 「早く元気になれよ?」 「元気になったら、俺の背中、頼むわな」 そうやって 約束して また破って 疑って 遠くなって 繰り返して そんな約束なんて 俺等の2人のうち どちらかを嘘つきにするための ものならば、そんなものは要らないよ。 きっと大丈夫 俺らなら。 『あの時俺のこの小指は になんで疑ったんだ?』 『あの時俺のこの小指は になでビビったんだ?』 『あの時のその小指は 俺になんて誓ったんだ?』 誓いは交し合うもんじゃない。 俺等の胸の内にそっと。 だってよ、はもう居ないんだから。 小指が無くったって、誓い合えるように。 俺等の胸の内にそっと。 なぁ、。 最後に俺の名前呼んでくれて、ありがとな? 俺なら、大丈夫だ。 ただ、お前が少し遠くなるだけだから。 生きていける。 生きて、逝ける。 |