なぁ、俺。 何時になっても、お前を思う。
たとえ、隣に居なくても。
たとえ、其の身が亡び様とも。
俺の心が空っぽに成らないように、お前を思う。



























天も、地も赤く染まった。
刀を一本握って、俺は戦場を駆け走った。
心にある焦りが俺の脚を早く進ませる。
心にある心配が俺の心拍数を上がらせる。





を、探そうと。 其の一心で、赤い戦場を掛けた。





西へ、東へ、さらには南に北。
向かってくる敵を薙ぎ払っては、返り血を浴びた。
目を張らせて、辺りを見渡したりもしたけれど、の姿は見なかった。


「銀ッ、ときぃぃぃいいい!!!!」
「!?」



急に名前を呼ばれ、俺は振り向いた。
後ろで立ってたのは、折れた刀を一本もった、だった。



「後ろ!」
「あ?」
「後ろ、気をつけて!」









色んな音が混じって、声が聞こえない。
何を言ってんだよ、お前。
俺の名前を呼んだ時みたいに、大声張らないと、聞こえねェぞ?













数秒後、の言いたい事がわかった。
後ろに居たのは、何時の間にか居た幾千の天人、天人、天人。
相手は飛び道具を持ってないから、良いものの。
と俺、2人でどうこう出来る相手の量では無い。











「がんばろう、うん。 がんばろう」
「自己暗示か」
「だって、じゃないと、負けちゃう」
「負けねェよ。 俺達ァ」
「・・・」
「負けないっつたら、負けない。 俺を信じろ」
「・・・、信じれない」
「あ゛ァ?」
「だって、いっつも、銀時は嘘ばっか。
 一個だって、当てた事無いよ」
「じゃァ、コレで最後だ」
「・・・?」
「コレで最後だから、信じてみろ?」









最後なんて、その時良く考えてなかった。
どうせ、このヤマが終われば、寺子屋に帰れる。 そう、信じてた。
何が、最後だよ。 いつも、最後、最後言っても、全然最後は来ねェじゃねェか。







それでも来た終焉は、俺の期待を裏切った。
「最後」が、来ちまった。


何度も、の名前を呼んだんだ。
返事が無かったけれど、そんなのはお構い無に、俺は叫んだ。


なァ、もう敵は居ないんだぜ? 帰ろうや、寺子屋に。
今日は、ヅラが飯を作ってくれんだよ。 お前のダイスキな、野菜炒め。


揺さぶりに、揺さぶったの体は、軽かった。
何にも、食ってないもんな、お前。
戦が始ってから、毎日食ったもの戻して、見る見る痩せてったもんな。



なァ、? お前は、最後に何を思って、逝ったんだ?






[アタシの分まで、銀時に幸せが訪れます様に。]







[俺の分まで、に幸せが訪れますように。]









そう、願った七夕は、何時だったっけ?










君が居た過去と、君の居ない未来。





012809