「生まれた事も、出会えた事も、今、最期に側に居れる事、アリガトウ」
「何、それ。 俺が死ぬ、見たいな言い方」
「実際に死んでるんだよ?」
「・・・知ってる」
「だから、全部に感謝してんの」
「・・・」
「最期だから」
「・・・じゃァ、これからはお前の心の中に住むか」
「え゛」
「んだよ、その嫌そうな声。 っつか、実際、嫌がってんだろ!」
「うん」
「・・・ブロークンハート!」
「実物が良い」
「・・・」
「見えなきゃ、嫌だ。 コピーも意味無い」
「わがままだな、お前」
「うるさい、バカ」
「Without me, you are human without emotion.」
「・・・何それ、カッコつけんな、バカ」



ゲホッと、咳を一つしたら、銀ちゃんの口からは、血が出た。
吐き終え、口元を袖口で、拭いた。
そしたら、ニコッって、笑った。
何に笑えるのかは、知れず。 アタシは呆れるように、目の前で横たわる銀を見た。



「何に笑ってんの?」
「最期だから、笑ってたいだろ?」
「ヘンなの」
「死にたくねェなー。 俺」
「・・・じゃぁ、死ななければ良い」
「でも、無理だぜ? もう、俺、駄目」
「・・・先に死ぬんだ。 ダサッ」
「ヤンチャし過ぎたな、コレァ」
「白夜叉?」
「あー、そういえば、そうだっけ?」
「あ、あと、糖分王」
「あ、そりゃぁ、微妙だわ」
「何で?」
「世の中には、俺以上に糖分が好きな奴が居るからだ」
「ふーん。 じゃぁ、自称:糖分王で」
「良いな、それ」
「そんなんで、良いの?」
「あぁ。」
「今、幸せ?」
「何を、急に。 気持ち悪ィ」
「なんとなく」
「幸せだぜェ?」
「・・・」
「この世で、一番幸せ者だよ、俺ァ」
「・・・」
「俺が死んだら、誰か一人でも悲しんでくれる。」
「・・・」
「誰か一人でも、線香をあげてくれる奴が居る」
「・・・」
「・・・それだけで、俺の人生、充分だっつの」
「じゃぁ、毎日あげるね、線香」
「宜しく・・・、頼むわ」



そう言いって優しく笑った時、銀時が一生開くことの無い目蓋を閉じた。




































without you, i am a flame without fire.
君が居ないと、アタシはただの、火の無い暖炉。