遊びの始まりは、何でも良い。 俺から、遊びを提案するもの良いし、から遊びを提案する日もある。 遊ぼうといって、遊ぶことは、一度しかなかった。 あの、始りの日だけ。 其の日以来、俺等は顔を合わせるたびに、 鬼ごっことか、かくれんぼとか、ソレぐらいの事を、やっていた。 笑顔を、見るようになった(それは、良いこと それでも、体の痣が消えてなかった(ああ、きっと孤児のお前を親戚が痛めつけているんだろう? は、何時も笑って、俺を見つけ出してくれる(お前だけにしか見えないんだ。 だから、俺は、何時も見つけやすい場所に隠れた(だって、お前しか俺を見つけてくれないだろう? 「あ、みっけ!」 「見つける前に、「もういいかい?」って、聞けって、何時も言ってんだろ?」 「もっと、見つけ難いところ、隠れてよ!」 「あー、・・・それも良いな。 おし! 次は、鬼ごっこで遊ぼうぜ?」 「え、鬼ごっこ?」 「あぁ」 俺は、腕をバサバサと広げ、空へ上がった。 あー、ずるい! と、下で叫ぶ、。 それでも、お前はちゃんと追ってきてきてくれる。 飛んでる最中、俺は河川敷に子供を見た。 俺は、そこに降り立ち、声を掛ける。 ________カラン 「おい、お前等も一緒に遊ばねェか?」 何を話し掛けても、あいつ等には、俺が見えない。 俺が見える所が、あいつ等は、俺の体を透き抜ける。 俺は、物悲しく、去って行く背後を見た。 _______________ポンッ 「つっかまーえた!」 「あ、ほんとだ。 また捕まえられちまったよ・・・」 そう、が俺を捕まえたという言葉を掛けると、 あいつ等が、俺らに振り返った。 「何、あの子? 一人で、何言ってるの?」 「あのって子、余所の子なんでしょ? 気味悪いよね。 ねぇ、早く行こう?」 回れ右をして、また歩き出す、そいつ等。 俺は、背後に隠れたの頭を撫でた。 「・・・戻る、か?」 「うん。」 手を、繋いで神社の鳥居まで、帰った。(小さい手は、暖かい。 俺の手は、冷たいのに。 背後の影は、小さいのが一つだけ。(それでも、お前には、きっと、俺の分の影まで見えてるよな? 最近気付いたのだが、俺の姿は子供にしか見えないらしい。(と言っても、より小さい奴には、見えない。 階段に着くなり、座りだす、俺ら。 少しだけ、気まずかった。(今さっきの事も、あったし。 「ま、きにすんなよ。」 「うん」 「許してやろーや。 相手、結構可愛かったし」 「なにそれ」 「大人の男になれば、分かるさ」 また、気まずい雰囲気が、流れ始める。 俺は、山と山の間に沈む夕日を見た。 「お前の、痣。 大丈夫か?」 「うん」 「そりゃ、よかった」(大丈夫じゃないくせに。 「・・・」 「俺も、俺なりに、心配してんだぜ?」 「へー」 「なんじゃ、そりゃ」 夕日は、沈んだ。 早いもんだ。 もう、夜になる。 俺は、立ち上がった。 「さ、帰る時間だ」 「判ってるもん! 帰るもん!」 「また、明日も、来いよ!」 「こ・・・来ないもん。 バ―――――――カ!」 知ってる。 は、毎日の様に、そう言うけれど。 また、明日も来るってこと、知ってる。 俺達は、独りぼっちで、お互いしかないから。 また、明日、俺等は此処で遊ぶんだ。 は、クルッと振り返り、俺を見た。 俺は、手を振り、こう言った。 「また明日なー? 」 あなたが笑ったり飛んだり大きく驚いたとき 透き通る気持ちでちゃんと応えたいのさ あなたが怒ったり泣いたり声すら失ったとき 透き通る気持ちを分けてあげたいのさ 毎日染まる空の短い季節 手を叩いて数えたらもうじきに新しくなるよ まだまだ、続きます。 元ネタ;加納るり からすら 一部、脚色、有。 090404 |