朝起きて、ソファを見てみたら、猫耳の銀ちゃんがそこで座っている。 それに驚いて、目をこすった。 ああ、土方さんの趣味とか、そんなのが移って、幻覚を見ているに違いないと踏んだからだ。 寝ぼけているんでしょ? と、見間違いを確認しようと、目をこすっても目の前にいるのは、銀ちゃんだった。 「トッシー呼んでくる」 「呼ぶなぁぁぁあああああ!!!!」 回れ右をして、トッシーもとい、土方さんに電話をしようとしたら、腕をつかまれ阻止された。 手は、猫化してないんだ、つまらないね。と、不覚にもそう思った。 「トッシーよんだら、きっとトッシーは喜んでくれるよ?」 「アイツは、女にしか萌えねぇんだよ! 男だから!」 「男にも萌えるかもよ? やってみようよ」 「だめぇぇぇええ!!! 230円上げるから、今週のジャンプ代あげるから、呼ぶな!」 「別に230円は要らないけれど、そんなにいやだったら、止める」 目の前のソファにちょんまり座るのは、銀ちゃん。 ふあふあ天然パーマから覗く白い耳がかわいかった。 「ねぇ、どうしたの? 其の耳」 「わかんねぇ」 「・・・猫の恩返しならぬ、猫の逆襲?」 「俺、猫に悪い事なんかした事ねぇよ」 「そっか―――――、じゃぁ、トッシーを呼んで、原因究明を、 「いや、止めて、マジで」 其の後、沈黙が暫く続いた。 ぴくぴくと無意識であろう、耳が動いている。 抱きしめてみたい。 不覚にも、そんな事思ってしまった。 理性を保とう、自分! |