晋助が、死んだ。 目の前で、助けられるかも知れなかったのに、死んでいった。  最期に笑う、貴方はこの世で一番酷い人。 そうやって、いっつも、いっつも、アタシを置いて何処かへ行く。  連れて行ってといえば、そっと笑って、頭を撫でた晋助の姿を思い出し、懐かしがった。  ねぇ、貴方の居ない世界は、黒色が、広がる。 だったら、アタシも一緒に死んでみようって。  晋助の刀を両手で握り、首元へ持っていったら、誰かの手が、目の前に現われ、それを阻止した。














「何してんだ」
「死ぬの」
「何故」
「晋助が居ないから」
「…自害して良いほど、お前の命は安くねぇ」
「・・・」
「兵は多い方が助かる、死ぬな。」










銀時が、奪ったのは、アタシが持っていた晋助の刀。  アタシは、座り込んだまま、見上げるようにして、銀時の眼を、しっかりと見返した。  鞘に入れられた、晋助の刀は、音を立てて、仕舞われる。










「・・・これ、お前自身が俺から取り返してくるまで、お前は生きろ」
「なにそれ」
「これが、欲しいか」
「欲しい」
「だったら、宝探しだ」
「・・・」
「俺は此れをもって、逃げる。 それをお前が、探す。 高杉の刀を探し出すまで、死ぬな。」
「・・・返して、そんな暇無い」
「・・・チッ。 しょうがねぇなァ」








迅速に動いた銀時の足は、アタシの背後へと周り、手刃。  その後、アタシは、霞むように、視線が歪んだ。 





















酸素と海とガソリンと沢山の気遣いを浪費している
生活のため働いて僕は都会を平らげる
左に笑うあなたの頬の仕組みが乱れないように
追い風よさあ吹いてくれよ
背後はもう思い出
向かい風まで吸い込めたらやっと
新しくなる











追いつかせて、





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