眼が覚めたら、廃屋に居た。 妙に埃っぽいその場所は、見知らぬ所。 傍においてあった置手紙の字を見ると、明らかに銀時の字。 どうやら、アタシが気を失う前に、銀時が言った、宝探しとは、実行されるらしい。 晋助の刀を探し出すまで、「死ぬな」という事。 ただ、単純に死ぬなと言えば善いものを、何で晋助の刀をわざわざ奪うのか。 理解に苦しんだ。 その日以来、アタシは銀時を、探しに探した。 向かいそうな、地区。 行きそうな、甘味処は、くまなく探したが、目撃情報は、何一つ分からなかった。 目撃情報を得て、その場所へ向かっても、いっつも抜け殻で、置手紙の「俺は、もう居ません」の字。 手が届きそうに成ると、遠退いて、アタシから、逃げる。 まるで、「生きろ」と言っている様で、嫌気が差した。 晋助が居ない世界は、更々興味は無い。 毎日繰り返す、質問。 毎日返される、同じ答え。 それに、そろそろ飽きが来た頃、 今までとは、違う答えが出た。 「あぁ、その男なら、かぶき町で、何でも屋をやってるよ」 「何でも屋?」 「あぁ、金さえ積めば、何でもやってくれるってな」 「・・・」 「便利なもんだ、一回利用したこと有る店だから、名刺持ってるけど、姉ちゃん要るかぃ?」 「はい、ください」 その名刺を両手で受け取り、確認した名前。 万事屋銀ちゃん 店主 坂田銀時、間違えない、アイツだ。 晋助の刀を持ってるはず。 今度こそ、追いついてみせる。 逃がしたりはしない。 もう、死にたいとは、願わないから。 お願い、追いつかせて 夕日も秋も日曜も沢山はない出会いも浪費している
行ったり来たり繰り返し僕は時代によいしょする あなたの目には情けな過ぎて哀れに違いない 羅針盤よさあ指してくれよ 現在地を教えて 既存の地図を暗記してもきっとあなたへ向かう あなたが元気な日はそっと傍に居たい あとどれくらい生きられるんだろう? |