これは、まだ
俺らが幸せだった頃の
噺。















1日中、暗い戦場に居て、
悲しいことも、嫌なことも、お前が居て楽しいことも、
下らないとお前は言う、ありふれた日常。


まだ、俺らが幸せだった頃の噺。















いつか、という言葉の状況は何時にだって来る。
裏を突けば、いつか、という言葉を発した時点で、すでにその状況はやってきているのだ。



だから、いつか、戦争が終わったら、だとか。
そんな言葉を発した時点で、例え戦争が終わってなくても、
戦争が終わってきている状況はやってきているのだ。



いつか、俺が死んだら、なんて言ったら。
それは既に俺の死が近いというか、何時死んでもおかしく無いという状況を表しているのだ。
こんな短い文章で、そんな深い意味を汲み取れるほどお前はお利口じゃないのは知っている。
この場合、この”いつか”という言葉は、その状況が何時に来たっておかしく無いという事を指している。



こんなに深く言ったとしても、お前の左の耳から右の耳へと通り過ぎていくんだろう。
声だけは、脳裏にのこして、意味を残さず捨ててゆく。
俺の声が残るなら、それで良いけど、もっと良いのは意味が残ることだ。





「よく分からない」
と空気も読まずに呆れた声で、悲しそうに言った。
そうだよな、ごめんな、難しいよな。
要約すると、人生何が起こるか分かったこっちゃないという事であって、
それ以上の意味を説明したところで意味を成さないのだろう。


銀ちゃんは死んでくの?
と、聞いた。
うん、多分、というか絶対そうだな、と返事した。

お前は、無力に、分からない、という。

大丈夫だよ、お前なら。
俺が居なくても、ちゃんと生きてける。


じゃぁ、明日までで良いから、傍にいてよ。
明日から、居なくても良いから、今日まで、一緒に居て。
そしたら、俺、心の準備が出来るよ。
銀ちゃんが急に居なくなったりしたら、俺、絶対死んじゃうから。






「死んじゃう、、、ね...それをいえるのは羨ましいな」
「なんで、」
「だってお前には未来に死ぬ人生があるだろう」



俺は、今現在死んでいるんだ。もう死ぬことは無いから、死んじゃう、なんて言葉は出ない。
さぁ、此処から、今日から、今現在を持って、俺はお前の新たな門出に、俺の死という祝杯を挙げよう。




新たな門出にお祝いを!


そこに俺が居なくても、







Vocaloid うたうたいのうた
2011/06/15