目を覚ましても、変わらない世界は一人の力じゃぁ、どうしようもなく。
足掻いても、高杉のように全部を壊そうと企んでいようが、世界は変わらない。







「銀ちゃん、銀ちゃん、」




朝。
は泣きそうな、声で俺の名前を呼ぶ。
儚く、消え入りそうなその声で、呼ぶ。






「世界が、変わらないよ。変わらない。」




泣きそうな声で言う。
ああ、そうか。
雨の日だから、そんな泣きべそをかくんだろう?
目に見えている結果に、泣くんだろう?




「そりゃぁ、変わらないのは当たり前だろう。」
「何かすれば変わるかな。」
「変わらねぇよ。お前が何しようが、高杉が何しようが。変わらねぇよ。」




俺らは結局負けて。
でも俺は、大事なもん守れたから、それでよかった。
お前の大事なもんは例え守れなくても、それで良いんだよ。

お前が生きてれば、それで良いんだよ。
世界が変わらないなら、それで良いんだよ。


「なぁ、。」
「なに?下らないことだったら、外でシャンプーしてね。」
「公然わいせつ物陳列罪になるぞ」
「うんそれでいいよ。」
「なぁ、。」
「だから、なに?」



「俺が居るだけで、世界は変わらねぇか?」











誓いの無い約束はウソになった。











2011/09/20