自分の周りにあった機械音が、煩くピーピーなっていた。
看護婦さんが来て、ハゲ散らかした医者も来た。
一生懸命、なんかしているらしいが、生憎俺には何も効かないらしく。
というか、感触も無い。
ココで、目を閉じたら屹度死ぬんだろうなと、考えていた。
それが、甘かった。
ペチペチと頬をたたかれる感触がした。
あれ、目を閉じる前は感触なんか無かった筈なのに。
何故だろうと思いながら、重いまぶたを開けた。
そしたら、いきなり知らない人の顔が…。
「おっ! 起きた!」
元気にそういう人は、ニヤリと笑った。
知らない人だなぁ。
というか、見ない服装というか、独特と言うか。
髪の毛の色も白髪(?)だし。
「ビックリしたぜ? ババアが行き成り寄越してくるんだからよォ」
ばばあ?
「あの、話の筋が読めないんですけど」
「ん? お前、ババアに拾われたんだろ?」
「はい?」
「だから、ババア。」
「はい?」
「ババアだって、ババア」
「だれですか、それ」
「下の、スナックお登勢のババア」
「そんな方、知らないです」
んじゃ、一緒に来い。一応お前から礼を言っておけ
と言われ、その人は手を引いて家を出た。
それが、奇跡的日々の始り。