手を引かれて、家を出た。
家の下に在るのは、スナックお登勢と書かれた古びた家。
「おい、ババア!」
「(いくら慕っていても、ババアは失礼だと思うなぁ・・・)」
見えに入って直ぐ見えるカウンター席の中に、その人はいた。
ババアと言われ、少し青筋を浮かべたが俺を見た瞬間、それが引いた。
「おや? 起きたのかい?」
「え、あ、はい。 一応」
「気分はどうだ? 腹減ってるかい?」
「いえ、大丈夫です。」
「それよりも、コイツどーすんだ?」
だから、俺は死んだはずなんですって。
死体遺棄か何か知らないんですが、気付いたら俺はここにいたと言うか。
「まず、自己紹介が先だろうが。」
「え?」
「あ、忘れてたわ。 俺、坂田銀時。 上の階で万事屋やってんだ」
「あ、はい」
「私は、お登勢。 上の住人の大家さね」
「あ、俺はです。」
「いい名前だねぇ」
「それより、、、」
ココは、どこですか?と、アホな質問をした。
かぶき町と言われた。
かぶき町に住んでいたわけじゃない。
というか、東京に住んでいたわけじゃない。
俺、家に帰ります。と言われたが、きっと無理だとお登勢さんに言われた。
「何でですか?」
「お前、川原に落ちてたんだってよ」
「はい?」
「だから、川原に落ちてたっつーの。」
「・・・」
信じられない。 死体遺棄のために、川原に俺を捨てた?
という、アホな線は無いと思った。
「光巻いて、落ちてたんだよ、あんたは」
「・・・はい?」
信じられない、奇跡的日々。