「おー、おー、おー。 早起きじゃん」
「はい。」
「ん? なんていった?」
「あ、うん。」
敬語を使うと、言い直すまで銀ちゃんは機嫌が悪いらしい。
早起きと言うものの、全然寝れなかっただけだ。
昨日の今日だし、寝れるわけが無い。
頭も整理出来ないし、どうすれば良いかも分からないし。
兎に角、今あるこの恵まれた状況に甘んじていよう。
朝ごはんは、味噌汁(豆腐なし)とご飯。
着替えもせず顔を洗ったあと、朝食を済ませた。
何をして良いかも分からず、渡された浴衣(的な服)を着た。
家にごろごろといるのもなんだろ?と言われ、家を出たのは良いが・・・、
「ちょっ! スピードっ! うわっ!違反!」
「なーにー? 何言ってんのー? 銀さん、聞こえなーい!」
「・・・(嘘つけ!」
手を引かれ、家から出た。
銀と書かれた、スクーター。 ヘルメットを渡され、銀ちゃんの後ろに乗った。
「何処行くかなー」
と、最初はゆっくりのスピードだったのに、行き成り何を思ってか・・・、
スピードを上げ始めた。
「ぱちんこ・・・?」
「そ、そ! パチンコ! やろうぜ!」
「いや、未成年は入れないんじゃない?」
「お前、何歳?」
「18」
「じゃぁ、(多分)平気だ」
「心なしか、多分が聞こえたような、
「ん?気にすんなって!」
そう言い、進まない俺を引っ張って中に入った。
煩いなー。と思いながら銀ちゃんの座った席の後ろに立つ。
「なにしてんの」
「へ? 銀ちゃんがやってるのを見てんの」
ぽんぽんっ。
隣の空席を叩いた。
「え・・・? いや、俺できないから」
「出来ないって最初っから言ってちゃ駄目だろ?」
そう言って、笑いかけた。