雨天決行
僕らの道が冴え渡るまで、

「雨、降っちゃいましたねー。これじゃー遠足無理だー」

縁側から少し手を伸ばして、雨を確認するは、残念そうに笑った。
俺は、まだ眠くて、適当に相槌を打ったら、腹にボディーブローを決められた。
痛い。

「イテェだろうが!」
「変な返事しないでくださいよ!へこみマス!」
「大体、遠足ってなんだよ!」
「いまさら突っ込まないでくださいよ!何時間前のことですか!」
「何時間もねぇよ!」

俺は、イラついてタバコを出した。
湿気てやがる。最悪だ。

「桜、楽しみにしてたのに」
「来年があるだろ」
「だったら、昨日行けばよかったんだ」
「昨日はお前、風邪引いてたろ。」
「総悟についてけばよかった!」
「、、、まぁ、俺も見てねぇから。明日晴れたら、有給とるか」
「良いんですか!?」
「まぁな。俺も昨日行けなかったし」
「そういえば、何で屯所に残ってたんですか? 副長元気だったから行けばよかったのに」
「書類だよ、」
「一昨日全部片付けたくせに」

俺は紫煙を吐き食堂へと向かうと、は俺の後ろを歩き始める。

____バリッ。

「何食ってんだ、」
「マショマロです」
「朝飯が先だろうが!」
「えー、だって、うん、、、」

何食ってるかなんて、大体想像がつく。
マショマロじゃなくて、マシュマロだろ。
何時になったら覚えんだ。

朝飯も食って無いのに、菓子ばっか食って。

「甘いもの食べても、天然パーマにはならないんですよ?」
「あ?」

何言ってんだ、コイツ。バカか。

「だって、銀ちゃん言ってたもん。銀ちゃんのパーマは生まれつきで、
 甘いもの食べても、大丈夫なんですよ!」
「、、、あのな、お前もしかして、俺が甘いもん食ったら天パになるとでも思ってんのか?」
「はい」

当たり前のように、返事をした。
はっきりと。

「アホか、お前」
「アホじゃないですよ、結構本気ですよ」
「、、、」
「まー、良いや。」

俺は短くなったタバコをポケット灰皿に押しつぶした。
その間、は俺の前を歩く。


そして、振り向いて一言。


「副長、顔も洗ってないし、目やについてるし、臭いし、汚いです。」


ちょっとだけ、傷ついた事を、無神経なお前は知らないだろう。


「洗ってくる、」
「いってらっしゃいです」