重ねた唇が、涙でぬれた。
指の腹で拭っても、止まらない。
止める術を知っている。
だが、何も喋らなかった。
その術さえも使わなかった。
人間、冷たくなればもう終わりだ。
俺の温かいはずの温もりを、強く抱きしめて与え様としたって、
そんなの無駄だった。
お前と、居たい。
お前と、居たい。
お前と居たい、この先ずっと。
そう願った。
願ったのに、
願いは叶わなかった。
泣いたら、駄目といわれた、
それでも、お前の意識が無い後、泣いて
言葉が上手く、出てこないから、
ありがとう、とか言えないから最後の最後には笑って見せるよ。
【今度、また出会えたら、その時も宜しくお願いします。】
titled by untitled.
XX0510