7月7日。
全国的に晴天快晴。
夏休み前ということで、学校のムードは盛り上がっている。
3年生の俺達にとっては、受験が刻一刻と迫っているという報せなのだから、面倒で仕方がない。

本日水曜日。 日直、俺等。 絶賛、サボり中。
そういえば、朝、先生にクラスの皆に伝えとけえて言われたこと、伝えてねぇや。と思い出すが、もう面倒だから、良いやと思った。
どうせ、気だるい先生だし、何とかなりそうだから、まぁ、良いや。と思い、傍にいた晋助に習って寝転がった。
晴天快晴といわれても、日差しはきつくないため、ぽかぽかと暖かい。


俺は目蓋裏に太陽の熱を感じながら、隣で寝転がる晋助に話しかけた。


”晋助はさ、ひとつだけ願いが叶うならさー、何願う?”
”さぁなー、そん時になったら思い浮かぶだろー”
”もう直ぐで七夕じゃんかー、”
” おー、”


昼休みの学校屋上。鍵は、晋助と銀八しか持っていない、ある意味での秘密基地。俺と晋助、二人きり。


”なんか、短冊とかさー、銀八作ってるわけでねー”
” ほぉー”
”願い事書く紙は一枚なんだってー”
”あー”
”あー、じゃなくてさー、”

”もう、知らねーよ、めんどくせー”
” じゃぁ、晋助の代わりに書いて上げるー”
”なんて書くつもりだアホ、”
”背が伸びますように、高杉晋助”
”ふざけんなー、ぶっ殺ーす”
”じゃぁ、何願う?”
”さぁな、(お前と一生居れます様に、)”
”俺の願い事はねー、”
”・・・、”
” 死ぬまで、――――――、”



”はっ、アホか、”

[死ぬまで、晋助と一緒に居れます様にっ!]







僕がたったいま君の腕を奪えたなら素晴らしかろう

本に生まれて、




2010/07/08-加筆修正UP
2010/07/05-小さい噺 再録