思い切って、胸の内を告白した。
ざわざわとうるさい木々の揺れる音。
夕方の帰り道。
アレ、聞こえてなかったか?
何時経っても返事が聞こえない。



「何て言った!?」
「だから、好きでさァ!」
「ほへ?」



間抜けな返事が聞こえただけだった。
アホらし。
そう思い、止めていた徒歩を始めた。



「ね、ね、ね! そーごッ!」
「何ですかィ!?」
「…怒んなくても良いじゃん…」
「・・・っ。」
「もっかい、言って?」
「へ?」
「今さっきの、もっかい言って!」
「何ででィ?」



もう一回? あんな台詞を? この俺が!?



「い、言わねェやい!」
「いじわるー!」
「・・・」
「言わなかったら、返事してやんないもん!」
「っ!?」



ヘヘンと偉そうに腰に手を当てた。
俺、どうもこの女には勝てそうにねェや。






二 度 と 言 わ な い 。
(しょうがねェからあと一回だけ、言ってやらァ!)





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071509