夢に出てきたアイツの顔は、過去の物で、死者のもので。
このまま目覚めても、どうせは居ないんだろう?そう、心の中で信じない神に尋ねても答えは出ず。
当たり前だ、だって見える笑顔は、過去の物。
幽霊だ、と物怖じもせず、起きもせず、じっとその夢を見ていた。
笑っていた、それと総悟と俺と近藤さん。 やわらかく笑うその表情は、何物にも代えがたいもので、代えない代物。
其れが、血に染まって、テレビの画面が砂嵐に成るかのように、見えるのは黒一色だった。
その笑顔は、消えた。 一瞬にして、いとも簡単に消えた。
それは、過去の代物。


いま、お前はどこに居ますか?
さびしいとか、思ってますか?
もし、そうだとしたら、今すぐにでも夜の街を駈け出して、
この世に居ない君を探しに行こう。



今日に繋がる、過去に居る、君は
夢の中でこの俺に、そっと笑いかけた。
(残景として、写真に撮れたなら、)



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