何度も、脱出を試みた。
何度も、何度も、そう、何度も。
独りになった隙を突いたり、門番を殺して逃げ様とした日もあったけれど。
何故か、また此処に舞い戻ってしまう。








死んだ





実験の内容は、詳しく知らされてない。
というか、興味も無かった。
どうせ、此処で死ぬんだ。って、投げ遣りな気持ちで、毎日を過ごしてた。
ただ、気になったのは、皆の事だけ。

ヅラは、如何したんだろうとか。
晋は、如何したんだろうとか。

銀時は、ちゃんと万事屋を開けたのかな。
好きな人は、出来たのかな、とか。
忘れてくれてないかな、とか。







そう、思う内に捕まって2年は経った。

銀時を忘れようと言う、決意も虚位に変わり。
抵抗して、逃げようとしても、舞い戻ってくる。
日夜、自分の体が、自分の物じゃ無くなって行く、感触。
右肩にある、014の烙印。
部屋中に、散らばる何かの書類。
窓辺から見える、散り行く紅色の桜。
誰とも言葉を交わさずに、ただ外から隔離されて生きていく、無駄な時間。







でも、きっと。

こんな生活も何時かは、終わりが来る。


そう、信じてる。












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