迎え出たのは、割烹着を着た、ヅラ。
片手には、オタマと、しゃもじ。
今、寺子屋には、数えるほどの人間しか居ない。
死んだ魚
ヅ「貴様等、何故昼で上がってきている」
多分、俺の顔の隅には、怒りマークが、ちらほら見える筈だ。
銀「…斬る敵が居なかったんだよ、こいつのお陰で」
銀時が指差したのは、背後に居た。
罰が悪そうに、苦笑いして、俺を見た。
ヅ「…また我を忘れて斬っていたのか」
「…多分。 だって、記憶に無いもん!」
銀「…ま、敵が死んだってことで、良いじゃねぇか」
ヅ「・・・・」
それほど、天人嫌いなのは、小さい頃から、薄々気付いてた。
小さい頃、松陽先生に拾われた、銀時と。
銀時はきっとの、親的存在だったんだと想う。
いっつも、後ろに、銀時の背後に、が居たのを覚えている。
銀「〜。 手当てすっから、こっち来い」
ヅ「…怪我したのか?」
「大丈夫〜!! ザクッと斬られただけ!!!」
ヅ「・・・・・・・・ザクッて・・・・」
そういえば、今さっきから、胸元を、押さえてたか。
それに、返り血か、アイツの血か分からなくらい、羽織は血だらけだ。
の歩いた後は、血の足跡。
ヅ「…また、廊下を雑巾がけするか…」
は、ひよこの様に、銀時の後をついていく。
本当に、懐いているのは良く分かるが。
何時、命を落とすか知らない今。
もし、アイツの隣に銀時が居なくなれば、どうなるんだろう。
もし、銀時の隣にが居なくなれば、どうなるんだろう。
ヅ「…いかん、いかん。 不吉なことを考えてた」
残りは、高杉と、隊士数名か・・・高杉は、どうせ飲みにでも行っている。
銀時とは、よく食べる。 故に、よく働いて、天人を切ってる…。
飯が足りればいいのだが・・・・・・
ヅ「…足りますよーに」
俺は、天に祈ったが、それも無駄だと知ったのは、後ほど。