寝室で、いつも手当てをする。
銀時は、楽しそうに消毒水選び。 というか、変わらないと想うけど。
少し篭った部屋には、布団が綺麗に並べられてる。
死んだ魚
銀「…傷見せてみ?」
「自分でする」
銀「…できんのか? 背中も斬られてるってのに」
「・・・」
部屋には入らずに、ふすま付近で、立ち止まる。
血が、ドバドバに、出てるに違いない。 足を伝って、地面に血溜りを作ってる。
銀「…早くしろ。 血溜り出来てる」
「・・・・・・」
目の前に、チョコンと座り、背中を見せるは、何時もより小さく見える。
「・・・・・・」
銀「・・・・上脱がなきゃ、消毒できねぇから、脱がすぞ〜?」
俺は、後ろから手を回し、帯を解いた。
さっきから、俺の言うことに、返事をしない。
可笑しい。
何時ものなら、たとえ手当ての時でも、帯を解こうとする俺にビンタするはずなのに。
今日は、至って静か。
銀「なに黙ってんだよ?」
「・・・・別に! っつか、何解いてんの!」
銀「…え、帯」
が、反抗しても、時遅し。
帯は解けて、俺は、上だけ脱がした。
返り血は、服まで、とどまったらしい。
傷口までには、返り血は及ばなかった。
銀「・・・・」
_________________バシャッ
ありったけの、消毒水をの背中に掛けた。
少しだけ、服にもかかる。
「い゛っ!!!!!」
銀「あ? 何? 痛いの?」
「……ッ!」
銀「・・・・痛いんだ?」
「…い…痛くないもん!!!」
あーらら。 虚勢張りやがって。
どうせ、涙目のくせに。
声だって、震えてる。
銀「痛ェなら、痛ェって言わねぇと、このままだぞ?」
「…痛くないもん!」
は、俺と向きあえるように、俺のほうを向いた。
胸元の傷口は、もっと重症だ。
「・・・消毒水掛けると、痛いから。 包帯だけにして」
銀「・・・・・」
「・・・・・」
は、常に俯いたまま。 誰だって、斬られれば、痛い。
だけど、目の前のこいつは、弱音も吐かない。
偉いんだか、強がりなんだか。
銀「・・・・・化膿したら怖いから、消毒水掛けるな〜」
「・・・・・・・・・え゛!!!」
俺は、サラシを剥がし、傷の具合を見た。
銀「・・・・お前さぁ、どーすれば、こーなる訳?」
「天人と幕府に斬られればこうなる」
銀「じゃなくってさぁ」
「・・・・?」
銀「・・・胸、小せぇな。 サラシ、強く巻き過ぎだろ。 つぶれてるって、これ。 絶対」
「・・・・・晋に手当てしてもらう!」
今さっき、高杉は帰ってきたであろう。 玄関先が騒がしい。
高杉の元へと行こうとしたの手を、引っ張り、座らせた。
銀「分かったから!!! 高杉の所には、其の格好で行くな!」
「・・・・」
銀「・・・・ごめんな」
「許さない!」
銀「・・・俺が、何について謝ってると想う?」
「女のコンプレックス言ったことを謝ってる!」
銀「・・・違ぇよ。・・・っつか、そーじゃなくて」
俺が、今謝ってるのは、そんなことじゃない。
そんな事じゃなくて。
銀「・・・・傷跡。 残るだろ? これ」
「・・・・」
女だってのに、傷跡だらけの体。
きっとも、ソレも覚悟で、女侍になったんだと想うけど。
やっぱり、俺は、これ以上に傷跡が残るのが、解せない。
銀「・・・・あれな」
「ん?」
銀「これ以上、傷跡作ったら、参戦禁止令な」
「え゛!!! イヤだ!」
銀「だーめっ」
「・・・・」
銀「・・・これ以上、傷跡作ったら、お前は平気でも。俺はイヤだ。 解せねぇ」
「・・・」
本当の事を言えば。
年齢も、遥か小さいには、毎日寺子屋で留守番させたい位だ。
何時死ぬか分からない。
だから、戦場より安全な、此処で。
銀「・・・・・・」
「・・・・何! ジロジロと。」
向き合い座るの肩を持ち、俺はそのまま布団へと押し倒す。
あどけない面。 頭の上には?マーク。
「何?」
銀「・・・・もうすぐで終わる。」
「何が?」
銀「攘夷戦争」
「マジでか?」
銀「あぁ」
「やったね。 これで平和に暮らせるじゃん。 って言うか、何押し倒してんの?」
銀「俺ん所来るか?」
「・・・・・皆は?」
銀「・・・さぁ?」
「…行ってもいいの?」
銀「・・・どうせ、お前みたいなじゃじゃ馬、俺しか面倒見れねぇだろ」
「・・・・」
上目遣いで、俺を見るな。
理性決壊ギリギリなんだぞ、このヤロー。
って、上を脱がしたのは、俺だけど。
銀「ソレとな?」
「・・・・・?」
銀「・・・・・俺さ、」
「・・・」
やべぇ。 眠くなってきた。
覆いかぶさるようにして、の上にダランと、垂れたら、重い!と、怒られた。
「・・・俺さ ・・・何? 気になるから途中で止めないでよ」
ごめん。 ごめん。
何か、お前の顔見たら、いえなくなった。
現実を言えば、どんな顔するんだろう?
悲しい顔は見たくないから、言わないことにする。
銀「何でもねぇや」
「なにソレ」
銀「・・・」
「っつか、なに押し倒してんの!」
銀「・・・・実験」
「・・・・・・変態!」
銀「あんだと!!!」
にとって、俺って何の存在?
兄貴? 親? それとも、幼馴染?
只、試しに押し倒してみただけだ。
どんな反応するか、試してみただけ。
銀「まだ、20も行ってないどーてーボーイじゃ!!!」
「黙れ! 何が、どーてーボーイだ! グダグダボーイだろ! お前の場合!!!」
銀「あんだと、ゴルァ!!! てめぇなんか、くされチビだ、バーカ!」
「年上のアホ銀よか、マシだもん!」
銀「ハイハイ。そーですねッ!」
「・・・怒るよ!」
銀「もう、とっくに怒ってんじゃねぇか!」
「・・・・・・・・・」
小さい頃から、ずっと変わらない。
不貞腐れれば、其の面だ。
本人は、睨んでるんだと想うけど。
俺や、高杉、ヅラから見れば、可愛い以外の何者でもない。
銀「・・・お前が睨んでも、怖くねぇから。 早く寝ろ」
「・・・・・・」
後ろから、抱くようにしてを、寝かせた。
ヅラ達は、居間で、どんちゃん騒いでいるらしい。 此処、寝室まで聞こえる。
「自分の布団で寝なよ、暑苦しい」
銀「・・・良いじゃねぇか。 ケチケチすんなよ。」
「・・・・・・」
銀「・・・・昔は一緒に寝てやったろ?」
「・・・・・・ッ!!!」
銀「・・・はい、もう、寝ろ!」
お前を感じる体感温度。