「あ゛ぁ? 何で捕縛してるってかぁ?
当たり前だろぉ。 コイツが、幕府の欲しい情報を持ってると
松山(しょうざん)のヤローが、殺される前に言ったんだよ」
「何言っても、口は開かないんだろ?」
「あぁ、だが情報を持ってることは確かだ。
だから、ココに居る奴を、人質にして聞きだしんてんじゃねぇか。
おじさんのやってることは、90%正しい。そー決まってるんだよぃ」
「・・・・強情だな。とっつぁんも」
「黙れぃ!」
「・・・・・(人質を殺せば、皆が怒る、でも、情報なんて持ってない・・・・・」
死んだ魚
朝、起きたら背後で寝ていた銀時がいなかった。
周りを見渡しても、誰もいない。
空の布団だけが其処にあった。
バタバタと、騒がしい足音が、廊下側の襖から聞こえる。
寝巻きを少し調え、そっと襖を開けて様子を見た。
兵が、騒がしく動き回ってる。
鬼兵隊の奴等だ。
ヅ「!!! おきたか?」
「銀ちゃんは?」
ヅ「…貴様は二言目に銀時か。というか、怪我の様子は如何だ?」
「大丈夫。 痛くない。 だけど…如何したの? 騒がしく歩き回って」
ヅ「…幕府が完全的に白旗を揚げたんだ」
幕府には、もう天人がいる。 幕臣を無視し、勝手に政権を握っている。
アタシ達が、こう騒ぎを起こしても、何の役にもならなかったんだ…
「銀は?」
ヅ「…兵を会議室に集まらせている。 それと…今日はお前は参戦するなとの事だ」
「何で? 怪我なら平気だよ! 戦えるよ! 痛くない! 痛くないもん!」
ヅ「…ソレは、本人に言え。」
そういって、ヅラは廊下先まで、向かった。
ふと、目の前に足が止まる。
顔を上げて、誰かと確認したら、晋助だった。
「・・・オハヨ」
高「…何時だと想ってんだ」
「何時?」
高「もう、3時になる」
「・・・寝すぎたかも!」
高「かも…じゃねぇだろ。 寝すぎだ」
其の後、晋助もまた玄関先まで、急いで行ってしまった。
胸元の包帯を見れば、血がにじんでる。
どうせ、アタシも銀時も天人とのハーフだし、傷が治るのも早い。
痛くは無いけれど、血は流しすぎたかもしれない。
ソレでも良い。 アタシは、戦闘用の羽織を羽織って、刀を2本腰に差す。
ヅラが言うには、銀は会議室にいるらしい。
アタシは、朝ごはんも食べないまま。 会議室へと急いだ。
急がなきゃ、置いていかれる。
皆に、置いていかれる。