「何で、何時も来てくれるんですか?」
「理由なんて無い。」
「松平さんからの、命令だとか?
知っているんでしょう、あたしが、攘夷志士だったって事を。」
「・・・・・・」
「あ、図星だったり?
実験結果のお陰ですよ。こんなのも出来るのは。シンクロって言うんです。
それに、松平さんには、何言っても聞く耳を持たないんですよ。
情報なんて持ってないのに。」
「持ってるのは、確実だって言ってるぞ?
早いところ、吐いた方が良い。
じゃ無いと、人質が、殺される。
それに・・・・・・」
「持ってないんです。
それに、アノ人質はアタシに関係ないんです。帰して上げてください。」
「関係ないって言ってもむだらしぜ? 松平のとっつぁんは、ぜーんぶ知ってるらしい。
それに、聞くには、アイツが、お前を攘夷に・・・・・」
「ねぇ、鬼の副長さん? あなた達の仕事は、攘夷浪士を捕縛する事ですよね。
だったら、今ココで、貴方の刀で殺してくれませんか?
情報だって持ってない。 それに、人質が殺されれば、昔の同士が悲しむ。」
「万事屋が、何処にあるかと聞いたな、昨日。
理由は何なんだ? あいつに会いに行くのか? それとも、アイツはお前の同士か?
それに、俺はお前の様子を見に来ただけだ。」
「・・・」
死んだ魚
そっと、襖を開けたら、兵はいなかった。
銀だけが、真ん中で座ってる
銀「んだよ」
「今日は、どっち行くの? 東? 西?
アタシ、西行きたい。 だって、西のほうが強いんだもn
銀「お前は来んな。 兵も、足りてる」
「・・・・・・何でよ」
銀「…其の怪我で行くのかよ」
「・・・・」
銀「…此処に居ろ。 絶対に帰ってくるから」
「・・・」
銀「…って、言っても、聞く耳持ってねぇだろ? お前」
「うん」
銀「・・・ふざけんなよ? 今行っても、死にに行くのと同じだ」
「平気。 死なないよ」
銀「どっから沸くんだ? 其の根拠の無い自信は」
「銀が護ってくれるから」
銀「・・・・・そりゃぁ・・・まぁ、そうだけどよ、」
「だから、平気」
良くもまぁ、こっ恥ずかしい事を、サラリと、言うもんだ。
そりゃぁ、小さい頃、俺がお前を護ると約束した。 それに、俺がお前を護ってきた。
ソレは、否定しないし、否定はさせない。
だけど、何時まで俺を頼るつもりだ?
頼って欲しい気持ちと、自立して欲しいという気持ちが、ぶつかり合う。
銀「・・・知らねぇぞ、傷跡残しても。 参戦させねぇからな」
「大丈夫。 多分、今日が最後だから」
銀「・・・だな」
「行こっ? 銀」
銀「・・・あぁ」
小さい頃から、変わらぬ笑顔。
後ろから付いて来るのは、いつもお前。
俺の背後には、何時も、何があっても笑って俺を理解してくれるお前が居る。
人一倍、我慢強くて、文句を垂れる事も少ない。
松陽先生が居ない今。 皆に迷惑を掛けない様にと、一生懸命、利口に居た。
お前が、今まで我慢してきた分。
今度は、俺が楽にしてやらぁ。 このクソ戦さえ終われば、お前の待ってた日々が戻ってくる。