実験台になるんなら、刀があるから、大丈夫。
天人と、松山を斬れば、逃げられる。
そう、いとも簡単に。










んだ







起き上がれない。 傷口が痛くて。
手が届かない。  傍に刀があるって言うのに。
立ち上がれない。 銀時がそこに居るのに。







「・・・」
松「・・・時間をやる。 白夜叉を話す時間を。
 それと、お前の刀、寄越せ。 お前を死んだ事にした方が、楽だ。」
「・・・ッ!!」



そっと、そっと、バレ無いように、刀に手を伸ばしてたら。
松山の足が、あたしの手を踏んだ。

もう片方の、腕で、其の足を掴み、刀を手にする。
最後の力を使って、銀時の羽織を掴んでいる、天人に斬りかかった。
何故か、松山は止めようとしない。








________________ズシャ!!





鈍い音は、天人の上と下が、バラバラにされた音。
黒い血が、羽織いっぱいに、染め上げる。
銀時の羽織までにも返り血が、映った。

それと同時に、アタシは腹から込み上げた血を、地面に吐いた。



松「…傷口が痛むというのに、まだ斬るのか?」
「・・・」
松「…刀を渡せ」
「・・・」
松「早くしろ!」
「・・・」


刃を鞘に収めた後、大人しく刀を松山の足元へと投げた。
銀時は、倒れて意識が無いらしい。 まだ起きない。


部屋中に、今さっき斬った天人の血の匂い。
松山は、刀を拾い、部屋を出た。

立ってるのが辛くて、座り込んだ。
傍で寝てるのは、銀時。
寝てる…っぽい。









君は、生まれ。











僕に出会い。












春を憂い。















秋を見た。










記憶を、辿る過程で、あどけない君の写真に
















認めたのは、僕が所詮、未来すら、知らないこと。











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