思い切り開いたドア。
乱暴に開けられたため、ドアが壊れた。
土ぼこりと一緒に入ってきたのは、黒服に身を包んだ、3人の男。
死んだ魚
朝から、熱っぽい上に、頭痛い、咳がひどく、体が思うように動かない。
実験をし終わった後は、何時もこうだ。
実験内容と自分の体の性が、合わないうちは、
副作用かのように、体が思うように動かなかったりする。
目の前にあるのは、出された食事。
大嫌いな、大根が何故か味噌汁の中に入ってる。
一個一個、箸でソレを丁寧に、取り出してるときに、バンッ! と大きな音を立てて
ドアが、開いた。(破壊されたともいえる。)
_______バンッ!
「御用改めである。 天導衆からの命だ。
014、一緒に来てもらおうか」
「・・・朝ご飯食ってやすぜぃ?」
「お上に立てつくのか!」
「副長! 松山は如何するんですか?」
「それは、松平のとっつあんがやってくれんだろ?
任せとけ、任せとけ」
「と言うか、女だったんですねぃ。 実験台って。
俺ァ、てっきり男だって思ってたけど。」
ドア先で繰り広げられる会話を無視し、大根をお盆の上に置いた。
お上とか、言ってたけど、不思議ではない。
もともと、松山は開国派の人間。
しかも、この実験には、その 「てんどうしゅう」 ってのが、関わってるらしい。
「おい! もう一度言う。 早く来い」
「貴方達が、来ればいいじゃないですか。
大体! アタシ、ご飯食ってるんですけど。
天導衆だか、何だか知らないけど
________ザシュッ!
一番、目のキレた男は、土足で上がり、刀を翳して、振り下ろした。
「ほぉ。 目がいいのか、お前は。 素手で、俺の刀、止めるたぁ
其の上、いい度胸じゃねぇか。 怖くねぇのか、今の自分の手を見てみろ。」
「別に、怖くない。 だって、血が流れてるだけじゃん」
素手で、刀を捕らえた。 その刀身が自分に振り下ろされる前に。
勿論、手は血だらけだけど、真っ二つには、なってない。
この血も、何れ止まる。 それに、実験をされた体な訳で。
コレだけじゃ、死なない…と思おう。