ポタポタと生暖かい血が、床に落ちる。
あたしは、ソノ男を睨んだまま言った。




死んだ





「一週間も物食べてないから、食べさしてくれる?
 どうせ、逃げても晩いんでしょう?
 だったら、ココで食べてたっていいじゃない。
 5分食べ終わるし」
沖「土方さん。
 食べ終わるまで待てば良いじゃないですかぃ」

一週間、食べて無くても活きていけたのは、きっと、松山の実験の成果だろう。
あと、嘘や身の回りの危険を察知する能力とか。
そんなの、正式名称なんか知らないけど。
実験が終ってから、そーいうのが、身についたような気がする。
あたしは、食べながら、ソノ男に話しかけた。

「んで? 松山のヤローは?」
土「・・・・・大人しく捕まってる。
 お前も早くしろ。
 天道衆が、お待ちだぞ?」

てんどーしゅー?
んだろう、ソレ。
第一、この部屋から、出たことが無い。
外がどんなに成ってるのかも知らない。
あたしは、食べ終わった、ご飯の器を置いた。
後ろで立ってた、男子が、またもズカズカ上がりこんで。
あたしの目と、手を束縛した。


「ちょっ!!! 何してんの!!!」
土「暴れんなよ?
 お前は、一度見たら、一瞬で覚える能力持ってるらしいな。
 何処に連れていかれたとか、分かられちゃぁ、こっちも困るんでな」

そんな能力・・・持ってたんだ。

沖「それに、力なんか、怪力以上って言うじゃないですかぃ。
 ドーピングコンソメスープでも、飲んだんですかねぃ」


そんなの、飲んだ覚えはない。
大体、あたし自身。
何の実験をしているのかも知らないし
知ろうとも、思わなかった。

逃げられない。
そう知った、あの日から。
もう、如何でもよくなった。
ただただ。 銀時に会いたくて。
万事屋銀ちゃんを開いたのかとか。
パフェを食べてるのかとか。
前以上に、チャランポランになってないかとか。
好きな人は、出来たのかとか。
考えるのは、ソレばかり。









何も見えない、手も使えない。

後ろに気配を感じ、振り向こうとしたが、ソレも効かず。
あたしは、口元に、布を押さえつけられて、意識を失った。





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